2014年05月11日

心理カウンセリングと電話相談


当サイト(カウンセラーになるには?大辞典)の管理人です。

『カウンセラーの実践と実技』の2回の投稿の中で、心理カウンセラーが実践力を磨いていく方法として、巷にある電話相談機関の相談員になることが大変有効である、と書かせて頂きました。

また、私自身は本業のカウンセリングが軌道に乗ってきたので、電話相談員は数年間務めた後に辞めた、とも書きました。

どちらも本当のことなのですが、補足と言いますか、もう少し付け加えさせてもらいますと、「数年間務めて、心理カウンセリングと電話相談はやはり違うものだということを再認識するに至った」ので辞めた、というのがより正確なところだと思います。

私が所属していた電話相談機関はとても歴史のある組織でしたので、何十年も相談員をされているような方もおりましたから、数年務めただけで何を言ってるんだ、と怒られそうですけれど、やはり似ている面も多いが違うもの、という認識は今も変わりありません。

ざっと思いつくだけでも、


1.カウンセラーとクライエントは匿名同士であり、1回限りの一期一会の相談が原則(※電話相談ではカウンセラーとか、クライエントとは呼びません)

⇒匿名同士であることのメリットは無論大きいと思いますから、電話相談の大きな長所とも言えます。

ですがカウンセリングのように、一定の期間継続してその方と関わるというスタンスはありません。


2.相談時間はあるようでない。開始時刻もないし、当然終了時刻も基本的にはない。

⇒カウンセリングの場合は通常1回1時間以内である場合が専らです。

子供の場合、集中力などの観点から、30分程度に設定している方も多いようです。

電話相談も一応1時間程度話したら、電話を切る動きをしてみましょう・・・的な指導はありましたが、特に何の強制力もありませんので、クライエントが望めば3時間でも4時間でも続く場合があります。

私も経験したことがありますが、時間が延びた分と比例して良い相談ができているのかといったら、そういうことはほとんどなく、ただダラダラしていただけという相談になりがちです。

おそらく多くの相談員が似たりよったりで、相談の質は徐々に低下していくだけのように思いますし、その間他のクライエントの電話は繋がらないわけですから、頑張って相談に乗った割にそのメリットは少ないように思えます。


3.相談料は無料。カウンセラーは無償(交通費程度の支給がある機関もありますが、私のいた所は完全無償)

⇒ボランティアは元より承知の上ですし、別にお金を稼ぐために来ているわけではありませんから、無償であることはいいのですが、結果としてクライエントの相談料が無料だと、クライエントの問題解決への道のりは早まらない、という現実があることもまた事実です。

有料のカウンセリングと比べると、そもそもの治療意欲が低いんですね。

これは体の病気や怪我などでもそうだと思いますが、意欲の低い人の回復は遅いです。もっとも電話相談においては、そういった事柄もすべて了解の上で関わっていく必要があるんでしょうけれど。

ちなみにアメリカに居た時もいくつかのボランティアをしましたが、完全無償ということはなく、大抵交通費+最低限の賃金が出たりしました。

日本とアメリカのボランティア観の違いといったところでしょうか。


4.いたずら、冷やかし、無言電話などが多々ある。稀に緊急電話もある。

⇒結構このことに心を折られるカウンセラーは少なくありません。

特にカウンセラーが女性だと、エロトーク目的の電話がかかってきたりすることも珍しくありません(ちなみにそういう人の電話を男が取ると、すぐに切られたりします)。

真面目に相談に乗りたいと思っているカウンセラーにとっては、文字どおり冷水を浴びせられる形になるわけですから、大変な虚無感に襲われたりするのですが、無下に電話を切るわけにもいかず、逆にタチの悪い電話をかけてくるクライエントの心情を汲み取る度量の大きささえ要求されなくもありません。

心理カウンセリングの場合もこういったことが起こる可能性は0ではありませんが、ほとんどないと言っていいと思います。

と言うのも、カウンセリングの場に来られるクライエントはある程度素性がわかっている点と、有料のカウンセリングを望むクライエントの心の健康度はそれほど低くない、という側面があるためだと思います。


まぁ、心理カウンセリングと電話相談は、どちらも一長一短があるわけですから、どちらが良いとか悪いもないのですが、要領よく切り替えて双方共に関わるか、どちらかを選択するか、という分岐点はいずれ訪れるものなのではないか、と思う次第なのであります。


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